今日賛主義!

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自分を破壊し、本当の想いを再構築する。「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

邦題:雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
原題:Demolition
製作年:2015年
製作国:アメリカ
公式サイト:http://ame-hare-movie.jp/
~あらすじ~
デイヴィス(ジェイク・ギレンホール)は、出世コースに乗り、富も地位も手に入れたウォールストリートのエリート銀行員。
高層タワーの上層階で、空虚な数字と向き合う、味消えない日々。
そんな会社へ向かういつもの朝、突然の交通事故で美しい妻を失った--
しかし一滴の涙も出ず、悲しみにさえ無感覚になっている自分に気づいたデイヴィス。
彼女のことを本当に愛していたのか?
僕の心はどこにいってしまったんだ-?
「心の修理も車の修理も同じことだ。まず隅々まで点検して、組み立て直すんだ」
義父からの言葉が引き金となり、デイヴィスは身の回りのあらゆるものを破壊しはじめる。
会社のトイレ、パソコン、妻のドレッサー、そして自らの結婚生活の象徴である「家」さえも-
あらゆるものを破壊していく中で、デイヴィスは妻が遺したいくつもの”メモ”を見つけるのだが・・・
(公式サイトより)
 
邦題はロマンチックな印象ですが、全く正確ではありません。
原題は「Demolition(大破壊)」と正反対の響きで、こちらが正しく作品を表しています。
シナリオは妻を亡くすところからはじまり、ひたすら主人公の迷走が続きます。
主人公のズレっぷりが非常にイタい。
奥さんが死んだのに、自動販売機の故障をメーカーにクレームしたり電車で見かけた人に身の上話してみたり。
そんな状態なので仕事は上手くいかず、義父とはすれ違う。
見ていられなさすぎて、途中で飽きてくるくらい。
中盤からはさらに破壊衝動に目覚めて、自宅の冷蔵庫から会社のPCやトイレまでバラしまくる。
序盤の義父のアドバイス、「人も機械もなおすにはまず分解し、組み直す」を全編に渡って実行しています。
 
って、公式サイトのあらすじそのままですね。
それ以上のことは特になく、ただそれだけと言えばそれだけ。
いや、その中で主人公を気に掛けるシングルマザーとの出会い、その息子との友情?信頼?、娘の名前を基金として遺そうとする義父とのすれ違いといった話がゆっくり進んでいきます。
しかしそもそも本当に奥さんを愛していたのか?
悲しみが沸いてこない、奥さんと結婚したのは流れだけ、、、しかし、それでも要所要所で奥さんとの思い出を回想している。
 
ひたすら破壊し続け、最後の最後の数分で組み直されます。
妻の死を受け止めて出された答えは、主人公の回想を伏線として回収したもの。
綺麗に終わったと思いますが、全体を見ると冗長なのは否めません。
そういえば「わたしに会うまでの1600km」も同じ監督か、、、あれも全編ひたすら主人公が迷い続けているような作品だったなぁ。
いや、迷っている時間は長いけど行き着く答えはシンプル、というのはまさに人生の体現なのかも。
ここまで再構築しないでもいいように、日々をしっかり生きたいものです。