今日賛主義!

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交錯する過去と心理「2重螺旋の恋人」

邦題:2重螺旋の恋人
原題:LAMANT DOUBLE
公開年:2017年
製作国:フランス、ベルギー
監督:フランソワ・オゾン
出演:マリーヌ ・ヴァクト、ジェレミー・レニエ、etc
公式サイト:https://nijurasen-koibito.com/

 

フランスの鬼才、フランソワ・オゾン監督の新作を観てきました。
心理サスペンスと題され、男と女の駆け引きが描かれます。
虚実入り混じる構成は同氏の得意技ですかね、「危険なプロット」もそうでしたし。
鑑賞後にあれこれ思い返しながら考えるのが好きな人にオススメです。

 

主人公・クロエは原因不明のお腹の痛みを治すため、精神分析医・ポールの診療を受ける。
その過程で心惹かれあう2人。
幸せのなか、ポールの名字が変わっていることに不信を感じたところに、同じ精神分析医で双子の兄・ルイが現れる。
ポールは「兄弟はいない」と語り、一方のルイもクロエに迫る。
クロエは双子の秘密に翻弄されていく…

 

穏やかなポールと荒々しいルイは本当に双子なのか、それとも男の二面性の象徴なのか。
その2人の間でクロエは何を想うのか、揺れ動く女心はどこに向かうのか。
登場人物の配置と絡み合っていく構成は絶妙ですね。

 

ただ、よく出来てはいると思うけれど、単純に面白いかというと…
どこからが虚構だったのか明言されないのでモヤモヤします。
推理小説における叙述トリックのように、ラストでスパッと種明かしされればスッキリするのですが。

 

それにしてもフランス映画とはいえセックスシーンの多いこと。
全体の1/4くらい裸になっていたような…
日本的なサービスカットというより、男と女の関係を描きますよという姿勢。
それぞれにイチャイチャしてたり荒々しかったりと雰囲気の違いがポイント。
(ともあれ一緒に観る人には注意が必要かと)

 

なので、男女の心の機微に聡い人ならもっと楽しめたかもしれません。
不安、承認、疑念、欲望、鬱屈etc。
直接的じゃない比喩的な心理描写もあったのだろうなと推測します。
特に女性から観た印象を聞いてみたいところです。
そもそも、映画を語れる誰かと観たほうが楽しそう。