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北極圏に「残された者」の歩み、葛藤。

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邦題:残された者〜北の極地〜

原題:Arctic

公開年:2018年

製作国:アイスランド

監督:ジョー・ペナ

出演:マッツ・ミケルセン、マリア・テルマ・サルマドッティ

公式サイト:http://www.arctic-movie.jp/

 

今年は珍しい国の映画が目に入ります。

こちらはアイスランドの映画。

主演のマッツ・ミケルセンは「007 カジノロワイヤル」の悪役でしたね。

だから目に留まったのですが。

今回はそのマッツを見に行ったつもりが、本当にマッツだけの力強い一人芝居でした。

 

マッツが演じるのは北極圏で遭難した1人の男。

地面に大書したSOSの文字を整え、食料として魚を釣り、救難信号を出し、というルーティンワークを続けている。

ある意味で安定した暮らしの中に、やっと来た1機のヘリが目前で墜落。

パイロット2人のうち男は死亡、女はなんとか生存。

その瀕死の女を救うためルーティンを抜け出し、地図上にある建物を目指して旅立つ。

 

女はほぼ意識不明の状態なので、画面で動くのはマッツ1人。

しかも説明セリフなし。

「まだ息がある」とか「今日は大物が釣れた」とかいう独り言もなし。

セリフはたまに女に話しかけるのと、FU○Kのような毒づきくらい。

動作と表情だけで全てを語ります。

それでいて、遭難生活が長いことや同乗者の墓に祈っていることが伝わってくる。

何気ないけれど誰にもできることではないですね。

 

サバイバル映画ではあるものの、パニック映画にはならず非常に静かな映画。

その静けさ、そして説明のない白い世界から情報を掬い上げようとする感覚が、極寒の世界に取り残される共感に繋がります。

その粛々と進む時間の中で、「自分ならどうするだろうか?」と自省に導かれる。

誰かがいれば立ち上がれる。

誰かのために立ち上がれるか?

1人では進めない。

もしかしたら1人の方が進めるのか?

白くはないが安定したルーティンに立ち止まっていないか。

だとすれば、立ち上がってどこに向かうか。

 

一方で、白さが続く画面に若干飽きてくる。

そして行き着くラストはありがち。

でも、派手さはないけれど純文学のような映像体験。

たまにはこういうのもいいかな。

 

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