邦題:TOMORROW パーマネントライフを探して
原題:Demain
製作年:2015年
製作国:フランス
監督・主演:メラニー・ロラン シリル・ディオン
~あらすじ~
フレンチセレブ、女優・監督メラニーロラン&シリル・ディオンと
未来へつづく、幸せに暮らすためのライフスタイルを探す旅
クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』などハリウッドでも活躍、大ヒット作の『オーケストラ!』で知られる女優メラニー・ロラン。監督としてもカンヌ国際映画祭で作品が上映されるなど評価が高く、ファッション誌の表紙も飾る女性たちの憧れの存在。そんな彼女が、活動家・ジャーナリストのシリル・ディオンと、フード、エネルギー、マネー、教育の今を巡る旅に出た。“新しい暮らしを始めている人々”との驚きの出会い。世界とつながりシェアしながら、新しいライフスタイルが見えてくる―。
(公式サイトより)
今のライフスタイルを続ければ、人類は壊滅する。
そんな衝撃的な論文が「ネイチャー」誌で公開されたのが2012年とのこと。
気候変動は温暖化だけでなく水の循環を不安定にし、生態系が歪んでいく。
近年、日本でもゲリラ豪雨や季節外れの雪といった異常気象が多いのは、その前兆なのでしょうか。
ならば、どうすればいいのか。
滅びの道ではない新たなライフスタイルを探して、監督であるメラニー・ロランとシリル・ディオンが世界各地を取材した内容をまとめたのがこの映画です。
大きく分けると取り上げられているテーマは5つ。
食料、エネルギー、経済、民主主義、教育。
話題は政治や経済にまで及んでいますが、繋がりがしっかりしているのですんなり入ってきます。
1.食糧
英トッドモーデンは町中の道路脇や公共地に畑をつくり、皆で育てて食料自給している。
機械・石油を使わないパーマカルチャー、単一の作物のために土地を使うのは実は非効率、複数の作物を重層的に生産することで高い効率を実現している。
2.エネルギー
サンフランシスコではゴミのリサイクルが奨励され、それにより還元や税優遇という措置が動機づけになっている。
3.経済
世界各地で独自の地域通貨が導入され、地域内で経済を回すことで雇用や税収を得る。
特に大きなものはスイスのWIR通貨。無利子の銀行システムとして国家規模で利用されている。
4.民主主義
インドの村長さん。市民全員で集会し、市政の優先順位を決め、一体となって推進する。
5.教育
フィンランドの教育革命。教育のプロを育成し、生徒一人ひとりにあった教育を行う。
育てているのは「寛容」とのこと。
より良い世界のための活動が幅広く紹介されており、ライフスタイルを考えるとっかかりに最適だと思います。
ただ、一度で消化できるものではなく、徒然と帰り道で考えていました。
・お給料を稼いでいるのは、詰まるところ生きるため。
であれば、生きるために自給自足できるのが一番強いのでは。
山に入るつもりはないけど、家庭菜園から初めてみたい。
・登場する人々が皆、ポジティブだったのが印象的。
仕方なしにやっているのではなく、その道に大きな希望をもっている。
・仕組み作りが大切。
いまの消費社会に浸るのが一番ラクで安上がりだったりする。
そこから違う方向に行くには、それなりの動機づけが必要。
特に町ぐるみのような大きな動きにするためには。
・色々と考えてしまうけれど、まずはできるところから。
買い物はネット通販より地元で。
電力消費とゴミを減らして、環境負荷を減らす。
優しい世界に近づけるためには、何が出来るのか。
自分の生活を改めて振り返る映画でした。