今日賛主義!

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テクノロジーに負けた人間たちの戦い。「BLAME!」

邦題:BLAME!
製作年:2017年
製作国:日本
原作:弐瓶勉
監督:瀬下寛之
公式サイト:http://www.blame.jp/
~あらすじ~
過去の「感染」よって、正常な機能を失い無秩序に、そして無限に増殖する巨大な階層都市。
都市コントロールへのアクセス権を失った人類は、防衛システム「セーフガード」に駆除・抹殺される存在へと成り下がってしまっていた。
都市の片隅でかろうじて生き延びていた「電基漁師」の村人たちも、セーフガードの脅威と慢性的な食糧不足により、絶滅寸前の危機に瀕してしまう。
少女・づるは、村を救おうと食糧を求め旅に出るが、あっという間に「監視塔」に検知され、セーフガードの一群に襲われる。
仲間を殺され、退路を断たれたその時現れたのは、“この世界を正常化する鍵”と言われている「ネット端末遺伝子」を求める探索者・霧亥(キリイ)であった。
 
シドニアの騎士の映像化が面白かったので、原作者つながりでBLAME!劇場版を観てきました。
ちなみに原作は未読です。
 
本作の世界観も、シドニアのように人類の敵がいるディストピア
自動制御の都市への命令権を失い、不法居住者として駆除される。
人類を抑えているものが人類の作り出したものという点で、閉塞感はシドニア以上かもしれません。
そのセーフガードの動きがキモい。
わさわさと高速で壁を這って迫ってくるあたり、人類の天敵感にあふれています。
 
序盤は独特の世界観を咀嚼しながら観進める必要があるので、なかなか大変。
構成としては順序良く説明されていきますが、そのために取ってつけたような展開なのは否めません。
なんとなくお使いのような感じ。
最初のアクション(重力子放射線の派手さ)からの期待感と、これからを楽しむための準備として乗り切りましょう。
人類に優しくない世界なので、食糧がないとか服が何十年も使ってそうなツギハギだらけとか荒廃した重苦しさがこれでもかと描かれます。
そこからのカタルシスに期待してワクワクできるかどうかがポイントでしょうか。
できないと寝てしまうかも。
 
中盤からは、この状況を打破するためにネット端末に繋ぐための旅路。
ネットにつながれば、いま襲ってくるセーフガードに命令できるようになる。
どころか、都市の支配者になれる。
しかしそこで登場人物の一人が言います。
 
「昔の人は何故そんなことしたのか。気持ち悪い」
 
そういう時代に向かいつつある現実に刺さりますねえ。
一言で言えば「便利だから」ですかね。
自動化の行きついた先、人類はそれを制御し続けられるのか?
他人事とは思えない世界観がこの作品の魅力でしょうか。
 
そこからのラストバトルは燃えますね。
人間vsセーフガード。
霧亥vs上位セーフガード
レーザーと重力子放射線が飛び交い、もみ合いへし合いする戦場。
その中で、無表情でぼそぼそ喋る霧亥の秘めた人間性、身体的な超人っぷりに魅せられます。
あと、挫けそうな人間が再度立ち上がるところとか王道だけどイイものです。
 
尺を考えると当然ながら、本質的には解決しません。
総体としては、壮大なシナリオのイントロダクションという感じ。
話としてはまとまっているのですが、霧亥の旅の果て、この世界の行きつく先が気になって仕方ない。
ハードSFは好みなので、原作読んでみようなかあ。