今日賛主義!

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多動な著者の多彩な切り口「多動日記(一)」

 
書名:多動日記(一)「健康と平和」-欧州編-
著者:高城剛
出版社:高城未来研究所
発行日:2017年6月2日
 
ふとAmazonを見ていたら、高城氏の新刊が出ていたので衝動買い。
自身を多動症で「2時間も映画館に座っていることができない」と評する著者が、欧州を移動しながら執筆したエッセイです。
「多動」にふさわしいテーマの振り幅の広さ。
 
マクドナルドができてしまった観光地はつまらなくなる。
確かに、観光で行った先にずらずらとチェーン店の看板が並んでいると面白みがありません。
あくまでも、自分の日常とは違う体験がしたいわけで。
個人的にはその土地特有の、こじんまりした個人経営の飲食店を狙って入りたくなります。
国際情勢的に踏み込んで見ると、マクドナルドの存在はアメリカとの近さを表しているそうな。
マクドナルドがあるということは、ある意味で「安全な」場所。
ただしそれは「手垢がベットリついた」観光地だと評しています。
また、「観光地は景観などのハードだけでなく独自のソフトウェアも必要」と。
イビサが「ただの海がきれいなところ」ではなく「ダンスミュージックの総本山」であることで生き残ったように。
 
溢れでるアンチ砂糖、アンチ高カロリー。
コンビニエンスストアは高カロリー中毒者の薬局」という表現には笑いました。
現代人は高カロリー食を消費して肥満になり、ダイエットを求めて消費し、体調を崩して薬を消費する。
あるあるですね。
結果をコミットするのは他人じゃなくて自分自身であるべきだと思いますよ。
現代人は小麦とケータイのために働いているのではないか。
ぎくり。
 
あたらしい多重人格が増える
SNSで2つ以上のアカウントを使い分けるように、現実でも2つ以上のアカウントを駆使するようになる。
現状、マイナンバー以上に個人情報は流出している。
ネットでどこにアクセスしているか、電子マネーで何を買ったか。
日本人だというだけで高値掴みさせられることもあるそうな。
そういった戦略から身を守るためには、所属する国家からネット上での行動まで、複数のアカウント(だけでなく人格)で情報を得る必要が出てくる。
その一例としてTorなるIPアドレスをかく乱するツールが紹介されている。
「そこまでやるか」とも思うが、昨今の広告戦略を考えると、自分を全てさらけ出しているようなもの。
夜道で後ろを気にするように、情報化社会に適した自営が必要になってくるかも。
 
その他、リバタリアンやドラッグ、日本のオーナーの話等々、興味深い見解が多い。
全て正しいと言えるのかはともかく、独自の観点が面白いですね。
国際的、政治的、文化的、様々な切り口を見せてくれます。
多動症のケはなく、ぬるま湯に浸かっていたい系の人間としては良い刺激になりました。
 
高城本と言えば。