今日賛主義!

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経済はどう変わっていくのか。「お金2.0」

書名:お金2.0
著者:佐藤航陽
出版:幻冬社
発行日:2017年11月30日

 

仮想通貨や評価経済が話題の昨今、お金や経済について知りたくて読んでみました。
お金に苦労した経験のある著者が、改めて資本主義とは何か、その先の経済は何か考察されています。
ポスト資本主義の話ですが反資本主義ではないというのが好印象。
それだけでなく、経済システムを広く俯瞰するような内容でした。

資本主義から価値主義へ

人の求める価値は以下の3つに分類されます。
1.実用的な価値
2.内面的な価値
3.社会的な価値
現状の資本主義では、1.の価値しか評価されません。
そもそも認識されず、資産として計上されることもない。
(ちょうど簿記を学んでいるので特に実感します)
しかし、現在はもう物質的に充足しています。
1.はほぼ頭打ちになり、2や3の精神的な充足が求められるようになる。
「価値主義」はそれら全てを取り扱うものとして定義されます。
テクノロジーの進歩で2や3の価値が可視化(いいね!の数とか)されることで、取引できるようになっていくわけです。

 

1億円の貯蓄か、100万人のフォロワーか

資本主義ではお金が価値をやりとりする媒介でした。
しかしこれからは後者のような社会的なネットワークも、トークンのようなシステムを用いることで資産になる。
今のお金重視の経済システムも、意外と歴史は浅いもの。
金本位制から変動相場制に移行する際も反対意見はあったそうです。
そう考えると、経済システムの切替りはあってもいい。
本書のなかで「トークンネイティブ」という言葉が印象的でした。
デジタルネイティブ」を過ぎて、また新しい概念が「普通」な世代になっていく。

 

ただし資本主義経済がなくなるわけではなく、共存され得るとされています。
人それぞれに、得意とする経済システムに参加すればいい。
個人的には、やはり「資本主義」の基盤が深く刷り込まれていて、それ以外を基準とする動き方がよくわかりません。
さまざまな価値が実在化していくなかで、これからは自ら価値を生める人が伸びていく。
自分は価値を生んでいるだろうか?
自分が信じる価値とは何か?
「お金を稼ぐ」以外の価値を改めて考えていきたいですね。