自分がなりたいのはSNSで輝く人か?「ブランド人になるな!」
書名:ブランド人になるな! SNSの奴隷解放宣言
著者:ロータシン・タバタ
出版:源闘社 News Fucks Book
発行日:2018年11月20日
この書籍情報でクスっときた方はビジネス書中毒かもしれない。
いま最も勢いのあるビジネス書シリーズの一冊のパロディ。
むしろ元ネタのほうはよくありそうな視点なのに対して、こちらのほうが新鮮さがあります。
まさにパッケージ通り、SNSブランディングへのアンチテーゼでした。
近頃のサラリーマンへのディスりに対抗するように、SNSに傾倒することをディスっています。
「SNSは心身が不健康な人間の溜まり場、喋り場」
「ここ(SNS)で叫ぶしか、彼らには行き場がない」
「SNS著名人はネットのおもちゃになりながら、一部の情弱からお金をひっぱっているだけ」
あえて強く悪し様に言っていますが、ひとつの側面を表していると思います。
SNSがキラキラしているのは、SNSで成功している人が、成功し続けるための投稿をしているから。
ある意味、ネズミ講の勧誘みたいなもの。
「SNSを使わずに成功している人は、SNSに登場しない」
そう、成功例はSNSの上だけにあるわけではない。
一方で、サラリーマンの強みを着実に物事を進める体質と評価しています。
自分の個性を押し出しすぎず、すべてを受け入れて、噛みしめて、淡々と行動できること。
決められた箱の中で力を発揮できる人間も必要だと思います。
社会インフラを支えているのは「普通の」サラリーマンですし。
では、SNSから解放されたならば何をするのか?
スキルと専門性、その掛け算…というところはありがちですね。
あわせて他者を認めて幸福を届けられる人格と人徳も重要。
そして、「温故知新」。
流行を追い続けるのではなく、本質を掘り下げていく。
決められた箱の中に囚われず、視野を広げていく。
ブランドとは、技術や歴史を積み上げたものだと思います。
さて、この著者は何者なのだろうか。
正体がイマイチわからないこともあり、一般のビジネス書ほどの説得力は持ちません。
それでも、現代へのカウンターパートというところに本書の価値があると思います。
SNSを使いこなす上でも、落とし穴にハマらないために必要かと。
ただしその先は個々で考える必要がありますので、これから読む方はそのつもりで。
ところでこの勢いで「微動力」とか「人生の量子演算」とかいうシリーズ化はありませんかね?