今日賛主義!

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幕末の侍は現代に通じるか。「斬、」

邦題:斬、
公開年:2018年
製作国:日本
監督:塚本晋也
主演:池松壮亮蒼井優塚本晋也中村達也etc
公式サイト:http://zan-movie.com/

 

たまには時代劇も良いなと軽く観たら裏切られた。
刀を抜けない侍の葛藤。
「私も人を斬れるようになりたい」と叫んだ主人公は、いざ人を斬った後に何を思うのか。
自分なら、はたして何を思うだろうか。

 

時は幕末。主人公は浪人・都築。
とある農村に身を寄せていたが、時代の流れを読み江戸に向かうことを決意する。
しかし、農村の若者と近隣に現れた荒れくれ者たちの間にいざこざが起き、村を巻き込む命の奪い合いに発展していく。
そんな小さな戦争の最中でも、都築は刀を抜けず、、、

 

簡単に言うと「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ」系の主人公です。
いや「都に馳せ参じる」と自ら心に決めていながら、いざとなると腰が折れるあたり尚ヒドイかもしれません。
殺陣も派手さはなく、緊張感はあるけど爽快感はなし。
そしてセカイ系らしく(?)心理描写も状況描写もわかりにくい。

 

よくわからなかったのでネットで検索(カンニング)。
反戦映画として読み解けば良いらしい。

 

敵を殺す能力はあるが、精神が未熟で振るえない。
荒れくれ者たちにも、刀を抜かずに程良く話を合わせてやり過ごそうとする。
斬りかかれば面倒ごとになる、血で血を洗う報復合戦になる。
それは正しい。
しかし、農家の娘に思いを寄せても自慰するだけ。
いざ争いになり、その娘が襲われても斬れない。
口では公儀に加勢と言いつつ、いざ出立となれば熱に倒れる。
お前はどうしたいんだ。
武力を行使する/しないを決めることができない。
いざというとき選択しないことが、最も悪手。

 

主人公が象徴するのは、日本国か自衛隊ネトウヨか。
暗喩で固められた内容のようですが、なかなか察せませんでした。
「単純に観ても面白い、暗喩に気付けばもっと面白い」が理想なのですが。
暗喩を意識しないと飲み込めないというのは戴けない。
正直言って観たかったのは渋くて格好いい主人公のチャンバラ映画だったのです。
そんな先入観なく観ていれば、深く読み解けたのでしょうか。
その点は反省し、次は頭を白紙にして受けとめるよう心掛けよう。

 

反動で、これをまた観たくなりました。

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