冬は何を観光するか悩みどころ。
紅葉が落ちて桜を待つだけでなく、提案するのは枯山水。
主に砂で構成される庭園は、季節を問わず楽しめます。
そこに描かれた世界は、何か心に響くものがあります。
龍安寺
1450年建立、しかし作庭時期は不明。
エリザベス2世が絶賛したことで世界的に有名になった石庭。
15個ある岩を全て同時に見ることはできないという構成が示唆に富む。
「吾唯足るを知る」と書かれたつくばい。
いまあるものに感謝を。
瑞峯院
高い畝が荒波のよう、その中にそびえる蓬莱山。
山から海へと至る世界の連続性が見える。
キリシタン大名の縁で、十字架のように岩を配した北庭。重森三玲の作庭。
龍源院
シンプルに巨岩が配され、畝も高く静かな力強さを感じる。
日本最小の石庭。一滴が大海に至る。
大仙院
1509年(永正6年)建立、同じく大徳寺の塔頭のひとつですが写真撮影不可。
東〜北にかけての庭が、山水画のようなパノラマを描いて綺麗でした。
廬山寺
創建は938年(天慶元年)と古いですが、移転やら火事やらでいまの本堂は1794年(寛政6年)建築。
移転の過程で紫式部の邸宅跡を継いでいるため源氏庭と呼ばれ、紫の桔梗が咲くそう。
禅的ではないですが、ほっとする趣があります。
建仁寺
1202年(建仁2年)建立、京都最古の禅寺とも呼ばれます。
現在の方丈は1500年代に建築。
広々とした庭に蓬莱山と鶴島亀島。密度の高い庭に比べて世界の広がりを感じる。
第2日曜はこの方丈で座禅会に参加できます。
◯△◻︎の庭。
高台寺
1606年(慶長11年)、豊臣秀吉の妻・ねねが開創。
枯山水はシンプル。
周囲の池泉式庭園のほうが見応えがあるかな。
圓徳院
こちらはねねが亡くなった地。
南庭はぐっと詰められて箱庭のよう。ゆっくりお茶を飲みたくなる風情。
対して、北庭は雄大なパノラマ。
東福寺
方丈庭園は比較的新しく、1939年に重森三玲によって作庭。
迫力ある巨岩の配置、いくつもの波紋を描く筋目。どちらかというとアートに寄っている印象。
幾何学で構成された西と北の庭も新鮮な気持ちになります。
同じく重森三玲による龍吟庵と霊雲院も見てみたい。
今回はあえてモノクロで表現してみました。
陰影のコントラストをどう描くか、奥が深い。
しかし方丈庭園は南向きなので、日差しが強いと鑑賞・撮影しにくいですね。
じつは曇りのほうがいいと思います。防寒に気をつけて。