公開年:2019年
製作国:日本
監督:谷口悟朗
公式サイト:http://www.geass.jp/R-geass/
「反逆のルルーシュ」本編が上手く終わっていたので蛇足にならないか不安でしたが、予想以上にキレイにまとまっていました。
本編に残されたネタと遺された想いを活かしつつ、救いをもたらす物語。
ただ個人的には、本編最後の意味合いが変わってしまった喪失感のほうが大きいですね。
リメイク映画3部作はルルーシュとスザクが世界と戦う話として再構成されていました。
そして本作は、ルルーシュとC.C.が交わした約束の話。
タイトル通り、今回は反逆しません。
本編で悪逆皇帝の任を終えて、険が取れたルルーシュ。
駆け足ながら、ルルーシュや仲間の想いを描きつつ、(おそらく過去最高に)困難な状況に立ち向かっていく。
ルルーシュと再会したスザクやカレン、ナナリーの気持ちたるや。
コーネリアや扇あたりが、またギアスの力を振るうのを黙認しているのは違和感ありましたが。
ルルーシュに優勢になれる敵の力、それに戦略的に対抗していく流れはとてもコードギアスらしい盛り上がりでした。
ただ…「反逆のルルーシュ」の余韻が塗り替えられてしまったのがツラい。
ルルーシュの死で、全てを終わらせた。
正義が為されたような、独善を押し付けたような。
信念に殉じたような、ただの逃げ切りのような。
そんなGoodEndともBadEndともつかない味わいが好きだった。
TV版ラスト2話は、当時何度も見返したものです。
でも、もうそれは味わえなさそうだ。
哀愁を感じることも、涙することもできないかもしれない。
「反逆のルルーシュ」の最高潮、集大成とも言える最後のナナリーの心の限りの叫び。
その時点での物語は変わらないし、その涙に嘘偽りがあるわけでもない。
それでも、もう心に深く刺さることはないのだろう。
それが、本当に残念だ。
もちろん、お兄さまに再会できて良かったと思う。
C.C.も約束を果たせそうだ。
シャーリーもまた笑顔になれた。
主要人物に救いが与えられたことは、素直に喜ばしい。
でも、そんな普通にキレイな物語とは違う結末、味わいが好きだった。
ダークヒーローの在り様というか、散り様の美学というか。
ともあれ、「復活のルルーシュ」が良作であることは確かです。
ルルーシュとC.C.の未来に幸あれ。
というところで思い出を閉じよう。
ありがとう。