21SSと21AWで印象がガラッと変わったこともあって、改めてヨウジの過去コレクションを眺めてみようと思い立ちました。
どのくらい変わってきたのか、変わってないものは何か。
自分の感じるヨウジの魅力とは何か。
そのあたりを明らかに出来れば、今後の指針になるかなと。
FashionPressさんに協力いただき、データベースの一番古い2011AWから。
(ヨウジ社の経営破綻が2009年なので、そのすぐ後ですね)
買い始めたのが2019SSなので、そこから21AWまでの印象との比較になります。
2011AW
基本シンプルで、柄ニットや刺繍で少し足された遊び心が程よいバランス。
パッチワークは着古したイメージがあるせいか老紳士に似合う。
と思ったら最後の方は派手な裸婦画コート!(笑
やはり基本的なノリは同じですねえ。
2012SS
パンツは変形ラップなのかカバー単体売りだったのか、面白いアイテム。
袴といいボトムにボリューム持たせたルックが多いですね。あと小紋柄。
この時期はモデルが多様で良いなあ。年取ってもオシャレに着れるアイテムが欲しい。
2012AW
肩掛けのストールのようなマントのような。こういうの好き。
ワッペンとか金ボタンとか、最近見る感じ。
ボタンで身幅やシルエットを調節する、21SSにも繋がる脱構築。
毛布を着る。こういう遊牧民的な雰囲気も好きです。復刻希望。
2013SS
メイクもあって、ラフというかだらしなさというか。
バルーンパンツがメインでしょうか。なかなか他シーズンとは合わせにくそう。
20AWにもあった民族柄を複合するような意匠もやってたんですね。
2013AW
ヒゲ!
紳士のヒゲであり、野性のヒゲでもあるのだろうか。
最近見ないファーが使われているのが新鮮です。
1ルックだけ唐突に文字きた!と目が行ってしまうのが最近のヨウジ脳。
2014SS
こういうムラ柄が好きですね。
グレーの光沢が未来的。ヨウジに見えない。
黄色を挿したり白セットアップ等、珍しく光を感じるコレクションですね。面白い。
2014AW
柄もの尽くし。ボタニカル流行ったのこの頃だったっけ?
オジサマかっこいい。。。とことん柄のコレクション。
今も度々使われるスカルローズとチェーンブルドッグ。
確かに目を引くけど身に纏う勇気がない。
2015SS
大胆な半身ジャケット。使いこなせたら上級者?
ぼんやりと当て布が滲み出てくるような作りが良い。
インディゴでまとめたルックも過去にあったのね。
近年多いメッセージとアートワークが出現しました。
2015AW
20AWで復刻された3枚接ぎのセットアップ。
多色の接ぎ合せもいいですね。
柄布を混ぜたりと、同じコンセプトで多彩な表情。
ヨウジらしさと使いやすさが両立されているのが良き。
どれもカッコ良く、このシーズンに立ち会っていたらめちゃくちゃ迷っただろうな。
2016SS
切り替えで生み出される縦線。
再構築的な大胆な切り替えより、これくらいがちょうどいい。
塗り散らかしたような柄。やはりこのムラ感が好き。
複合民族柄もちょくちょく出てきますね。
朝倉さんアートの開始。今もちょくちょく出てくるラフスケッチの刺繍モノ。
2016AW
ファーストからしてヨウジらしくないボテッと具合。
こちらは今から見て「らしい」抽象画。
バンテージ。目新しいけど合わせにくそう。
メッセージ+イラストが大量投入されだしたシーズンと見るべきでしょうか?
2017SS
ヨウジにしては不思議なカラーパレットですね。
色だけでなく柄の切り替えも多め。
メッセージのインパクトが強くなってきた。
確かに、なんというかとっちらかって迷走している印象を受けますねえ。
前後のSSと比較しても浮いてるような。
2017AW
腰のあたりに目を引くベスト使いがユニーク。
マントいいなぁ。丈長くてボリュームあるものにヨウジらしさを感じる。
眩しい白アウターも惹かれますが、
なんともいえない柄使い、多分このへんの濃いアイテムを買ったと思われる。
2018SS
SSといえばメッセージと、
女性柄という印象が定まってきたシーズン。内田氏コラボは20AWまで続く。
とはいえ、このシーズンといえば何より「着る服ないの」ですかね。
こうやって通して見ると、16SSの縦線ニュアンスと17SSの強烈メッセージを継承した感じ。
あと多色使いも16SSから繋がり、19SSにも繋がっていく。
この辺が自分の中での「ヨウジっぽい」イメージですね。
2018AW
SSに留まらなくなってきたメッセージと女。
話題だったのは赤黒ですかね。リアルタイムの勢いなら着れたろうけど、翌年からは持て余しそう。。。
個人的に欲しいのは青みがかったグレー、黒ずくめに差し込みたい。
あぁ面白かった。
いろんなテイストが入り混じって、見覚えのあるものもあれば今見返しても目新しいアイテムも多い。
そんな中で見えてきた、自分が惹かれる「ヨウジらしい」魅力というと、
12AWや17AWあたりのような布の纏い方、
15AWの3枚接ぎのような縫製の凝り具合、
16SSあたりからの多色を塗りたくった柄使い。
いやはや、21SSで眼プリントを選んだのも必然。
これに大判ストールかマントを羽織ると、自分の思うTHEヨウジなコーディネートになるかな。
ただ、ここまでの流れを裏切ってくる(くれる)のもモードブランドの魅力でもあり。
改めて、21AWファーストルックの前例のなさが際立ってきますね。