フランスの人気俳優・ジャン=ポール・ベルモンド主演の8作品を日替わり上映という企画のうち、3作品を観てきました。
実は名前も知りませんでしたが、どれも面白くて人気だったのもわかります。
今からみると細部が甘くどうしても作り物っぽさがあるけれど、魅力のある脚本と演出で飽きさせない。
というのが共通の印象ですね。
現代映画の進歩ってなんだろう、、、とふと思ったり。
邦題:大盗賊
原題:CARTOUCHE
公開年:1961年
製作国:フランス
監督:フィリップ・ド・ブロカ
出演:ジャン・ポール・ベルモンド、クラウディア・カルディナーレetc
実在の義賊カルトゥーシュを描いた活劇。
ルパン三世の原点ともいわれる恋多き盗賊。
序盤の戦争シーンあたりの雑さに時代を感じて不安になったけれど、盗賊団結成以降は勢いよく盛り上がっていきます。
特に男女の心の動きになると妙に表現が良くなるのはさすがフランス映画と言おうか?
ヒロイン(達)がただのトロフィーではなく、魅力的な強さを持っているのがいいですね。
そして時代を駆け抜けた先、ラストは必見の切なさと美しさ。
フランスですぐBlu-ray化されたというのも納得です。
邦題:恐怖に襲われた街
原題:PEUR SUR LA VILLE
公開年:1975年
製作国:フランス
監督:アンリ・ベルヌイユ
出演:ジャン・ポール・ベルモンド、シャルル・デネetc
女性を狙った猟奇犯罪者を追う刑事モノ。
マッチョな捜査、犯人に名指しで煽られる、捜査から外される、、、今となって王道ですが45年前ですからね。
ジャッキー・チェンが本作をオマージュしてポリスストーリーを作ったそうな。
さもありなん、パリの街で繰り広げられるアクションが今の目で見ても手に汗握る。
老舗デパートで暴れ回り、地下鉄の屋根の上を駆け抜ける。
シャンゼリゼ通りでカーチェイス、当時最高層のビルに空から侵入。
むしろ今の時代では撮影できないのでは。
邦題:危険を買う男
原題:L’ALPAGUEUR
公開年:1976年
製作国:フランス
監督:フィリップ・ラブロ
出演:ジャン・ポール・ベルモンド、ブルーノ・クレメルetcノ・クレ
本名不明の賞金稼ぎ・通称ハンターが、正規の捜査で捕らえられない悪を追う。
しかし不法。ギリギリとかでなくアウト。
強盗犯を追い、過去にやりあった勢力に追われ、という構成で連続して繰り広げられるアクション。
街中を舞台にした上作と比べると派手さは抑えめで、ハードボイルドな雰囲気。
この男は孤独なんだろう、その代替としての一時の師弟関係。
明示はしない情の表現がフランスっぽい。
そして苦味のある終わり方。
「金はあっても過去は取り戻せない」
オススメするなら、アクションシーン全てが傑作な「恐怖に襲われた街」が一番楽しめます。
個人的にもう一度観たいのは「大盗賊」ですね。
アクションとしては古さがあるけれど、恋のやりとりがフランスらしくその割にわかりやすい。
その先に迎えるラストシーンがとにかく好み。