今日賛主義!

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”図書館”を更新し続ける「ニューヨーク公共図書館」

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邦題:ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス

原題: EX Libris - The New York Public Library

公開年:2016年

製作国:アメリ

監督:フレデリック・ワイズマン

出演:NYPL職員、ゲスト、来客の皆さん

公式サイト:http://moviola.jp/nypl/

 

New York Public Library、通称NYPLのドキュメンタリーを観てきました。

まず特徴は上映時間の長さ、実に3時間25分。

しかし決して冗長ではなく、NYPLの幅広い活動を伝えるには必要な尺だったと思います。

「これが図書館?」という触れ込みもごもっとも。

デジタル化、ネット格差、ホームレス、黒人差別…関連してくる様々な社会問題。

熱意を持って取り組むプロフェッショナルの仕事ぶりが描かれていました。

 

このNYPL、Publicと名がついていますが「公営」ではなく「公共」とのこと。

ニューヨーク市からの資金提供との市民からの寄付で運営されているそうです。

寄付を得るということは、それだけ社会に貢献しなければならない。

ということで、一般的な図書館業務だけでなく、

・高名な著者の講演会

・ネット難民のためのルーター貸出し

・子供達への勉強会、ロボット教室

・シニアへのダンス教室

・移民へのパソコン教室

・就職説明会

等々、いわゆるカルチャーセンターのような活動もされています。

本という情報の蓄積・提供ともに、関連する文化と教育を広めていく。

 

予算を勝ち取り、それをどう活かすか。

図書館という響きから静かな展開を想像していましたが、思いのほか能動的なアクションが繰り広げられます。

何度も出てくる白熱する会議シーン。

各々が考えを持ち、主張することに躊躇いがない。

空気の読み合いではなく意見の交換。

残念ながら、これだけ身のある会議はなかなか見られませんね。。。

どんな蔵書を加え、どんなイベントを開催するか。

集まってくるホームレスとどう共生するか。

未だ偏向のある黒人史の真実をどう伝えるか。

扱われる内容は地域活動家のようです。

誇りをもって地域社会を良くしようとする職員たち。

「ミッション・パッショネイト」と呼ばれる情熱の力を感じました。

 

そして、これからの図書館とは何かという点。

情報を得るだけならネットでも良い。

人と人が繋がり、影響しあい、個々を伸ばしていく。

そういう場は確かに必要だと感じます。

 

ソーシャルワークに興味があることもあり、見応えがある映画でした。

このワイズマン監督はドキュメンタリーと巨匠だそうで、他の作品も観てみたいですね。

ナショナル・ギャラリーとかオペラ座とか気になります。