今日賛主義!

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目ではなく耳で追うミステリーに魅せられた。「ギルティ」

邦題:ギルティ

原題:The Guilty

公開年:2018年

製作国:デンマーク

監督:グスタフ・モーラー

出演:ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、ヨハン・オルセンetc

公式サイト:https://guilty-movie.jp/

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主人公は緊急通報司令室のオペレーター。

ある事件をきっかけに警察官の一線を引いて電話番をしているが、それも今日まで。

あと数十分で仕事が終わり、明日は一線復帰のかかったイベントが…という時に拉致されている最中の女性から電話がかかってくる。

事件解決のために主人公が使えるものは電話だけ。

映画なのに視覚情報を封じられ、まさに手探りの緊張感が生まれています。

この新鮮な感覚はぜひ観て味わってもらいたいですね。

 

全編において司令室の中だけで話が進みます。

神の視点でのカットインもなし。

被害者や加害者がどんな人間でどんな状況に置かれているか全く見えない。

得られるものは音声と、付随する契約者や基地局の情報のみ。

限られた中で主人公はあの手この手と策を練ります。

電話相手は拉致された本人や所轄警察、自由に動いてくれる同僚などなど。

どう手がかりを掴み、どう犯人を押さえるのか。

その戦略性も面白いですが、やはり電話という制約を活かした展開に引き込まれます。

声だけで判断する。

見えないものを探っていく。

その過程で主人公・被害者・加害者の背負うものが露わになっていく。

特に終盤の「転」の場面では、まさに急転換でぞわっとくるほどでした。

どうしても固定観念がプラスされてしまうようです。

そのための伏線の仕込みは良質なミステリー小説のよう。

タイトルの「THE GUILTY」にも納得です。

 

ひとつ難点を挙げると、やはりというか視覚的には飽きが来ますね。

基本的に電話シーンの繰り返しで動きが少ないのが厳しい。

ただそういう制約の中で、表情や仕種、カメラワークでよく色付けしたなと感心しました。

 

見えないゆえの怖さ、もどかしさ、すれ違い。

脚本も画面も作り込まれたサスペンス・ミステリーをどうぞ。

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